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質問からの派生

2005/05/18 02:46
2003.05.18に書いた記事です

私が、J.S.Bachの作品を好きであることから始まるのだと思いますが、
よくmailや、或いは面と向かって聞かれることがあります。
「BWVって何ですか?」

「シュミーダー [Wolfgang Schmieder]さんがまとめて下さった、
 1958年のバッハ作品目録 Bach-Werke-Verzeichnis の略。
 頭文字をとって"BWV"。BWVの番号は、その目録に基づくもの。」

と応えておくのですが、常に、何故だ? 本か何かを見れば書いてあるだろう... と思う。
が、意外にBWVに関する説明って、載ってはいないのですね...。
とすれば...そうか、私みたいに未熟で勉強中の者に聞くのが、一番堅実な方法ですよね。

昔、友人と "勉強が深まってゆくほど、論文の註が少なくなるよね"
という話をしたことがあります。
ゼミの先生からは「逆やろ〜」と突っ込みを受けた記憶もありますが (苦笑)
人間、物事に対する見識・知識が増えるほど...
或いは、マニアック度が高まるほど...という言い方も可能かもしれません
特殊な(?)見識・知識が当たり前のものとなり、
誰もが知っているという感覚に陥りやすくなりますよね。
音大の学生よりも、音楽ファンの方の方が、音楽に詳しい例も稀ではない。
そして「常識」に、多くの人とのズレが生じて行くのかもしれません。

不特定多数の方に、素敵な音楽作品を知って頂きたいと思えば、
そんな「ズレているかもしれない常識」が、一般に見て正しい認識なのかどうかを
見極めることも大切なのだろうなぁ〜...と思います。
音楽を勉強している者が話す「音楽の話」...音楽を知らない人からすれば、呪文でしかなく、
私がゲノムの解説を聞いても、何が何だか分からないのと同じ状態ですよね(^^;;

良い機会なので、追加... これまた、古い友人をはじめ、よく聞かれること....

 「クラシックのCDジャケットで、
    よく曲名の横に『op』って書いてあるの、あれ何なの?」

opusの略。出版作品番号を示すもの。
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楽器は騒音発生器 Concert for Anarchy / Rebecca Horn (1990)

2005/05/17 02:49
2001年7月29日に書いたものです


最近"SPU●"という雑誌に興味深いものを見つけました。
それはLondonのミュージアム"Tate Modern"を紹介する記事でした。
私は ある種の偏りはありますが基本的に"Art"なるものには大変興味があります。
ファッション誌は気分転換に読む程度で、じっくり記事を見たりはしないのですが
ミュージアム紹介となれば、話は別.......
とばかりにページに視線を落とした瞬間、とんでもない写真が目に飛び込んできました。
逆さ吊りのピアノで、鍵盤部分が何やら突出している写真です!!

じっくり写真を凝視すると、日本製のピアノではあまり見られない形状の、
ドイツ語圏のピアノ会社の古いモデルに こんな足があったかな〜と思われる
太くて少し装飾の施された足をもつ黒いピアノが蓋を大開きにして、
天井からぶら下がっている...。そして鍵盤部分からは、
どうやら通常88並ぶ白と黒のKeyとして存在する部品(?....わかるでしょうか?)が
通常 鍵盤としておさまっている部分から、見事にはみだして飛び出て来ているのです。
しかも綺麗に並ぶことなく、あちらこちらの方向へ突出している....。
(恐らく、実際の楽器というピアノを材料に使用していると思います)

このピアノ専攻生が見ると仰天するようなオブジェは、
Rebecca HornのConcert for Anarchy (1990)という作品なのだそう。
記事によると「ピアノが大音響とともに鍵盤を吐き出す」とあり、
ミュージアムの"Staging Discord" (不協和音の上演 ← 記事掲載による訳)
という 部屋にあるのだそうです。

う〜む.... 作者がどういう意図で表現しているのか知りませんが、
皮肉な作品だなぁ...と思ってしまいました。
ピアノという素材を使用していますが、楽器は全て、快い音楽を奏でるとは限りません。
特に我々の練習中の音なんぞは、音楽に無関係で生活している方々にとっては、
「大騒音」以外の何ものでもない (^^;;;
「毎日良い音楽が聞けるわ〜」と好意的に思って下さっている御近所さんなんて、
皆無である筈。人間の日常生活において、
楽器が公害を発生する道具にだってなり得るのである。

そのあたりのことは十分に分かっているつもりだが、
"Concert for Anarchy" を目にしては、苦笑せざるを得ない
公害を発生する道具にもなるのだ...という認識を持っていても、
延々と同じ小節ばかり繰り返し弾いたり、
慣れないうちは汚い音だって出してしまう....(^^;;;
それを経ないと演奏が完成しないのである。

日頃「静かな所で練習したい」なんて、ぶーぶー文句を言っているくせに、
大騒音公害を発生させることに対して、楽器を弾く者は確信犯なのである。

ただ....せめてコンサート会場においては、楽器を騒音発生機に化けさせることは、
回避したいものなのだが、それも無いとは言えない....。
これから本番を控えているけれど、楽器は楽器として扱えるように尽力せねば...。

Tate ModernのWebは http://www.tate.org.uk/ 日本語のページもありますよ〜♪ go!

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言葉と音符

2005/05/16 02:53
2001年 7月2日に書いたものです


今迄に....と言っても、さして年月は長くはありませんが、様々な楽譜を見て来ました。
面白いもので、所謂「現代譜」になってからでも、時代毎に記譜法が違っています。
勿論、作曲家によっても細かな所で記譜法が異なり、本当に楽譜を読むのは、
何と難しいのだ...と痛感する日々を送っています。
最近、ふと頭に過去の記憶が蘇りました。
それは、もう10年以上前になる小学校時代.....
塾のある国語の先生が、よく授業の導入として1つの質問を用いられていました。

「言葉って何だろう」
答えは、今でもよく覚えています....「相手に物事を伝える為の1つの道具」です。
そして、この問答(?)が蘇って来ると共に、私の脳裏を横切ったのは、
「音符って何だろう」
あくまでも現在の私が閃きで出した答えですが、
音符も「相手に物事を伝える為の1つの道具」だと思います。

言葉と音符では、伝達の質には相違が見られると思いますが、
音符も作曲家の内なるものを表出する、或いは何かを再現描写する上で、
音楽という形に留める為に用いる最小単位のものが音符であると思います。

そう考えると、文章読解において言葉(単語)の意味、言葉と言葉の接続etc...に
深い意味合いを汲み取ることに留意せねばならぬのと同様、
楽譜の読解だって、細かく見れば、際限なく、読み取らねばならぬものが存在する筈です。

これまでに、自分が作曲をして実際に楽譜を書いたり、
様々な時代の楽譜を目にすることで、楽譜読解の緻密性の必要を感じて来ましたが、
読解は相当難解なものであることを、思い知らさられた気持ちになっています。

演奏者は、作曲者の「相手に物事を伝える為の1つの道具」を
何処迄、読み取れているのだろうか?
(...今の私には、自分で自分の首を締める話であります...(笑) )


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楽器はCanvas、大事なものも楽器の中

2005/05/15 02:59
2001年2月9日に書いたものです


世の中には、様々な博物館がある。
最近、ゼミでお世話になっているK教授に
ロンドンの Victoria and Albert Museum[ヴィクトリア アンド アルバート博物館]
の鍵盤楽器のカタログ(...?...とかく小冊子である...)を見せて頂く機会があった。
確か、この博物館は最古のチェンバロがあることでも名が知れていたハズである。
その名に値するかの様に、そこには、様々な鍵盤楽器の写真と解説が掲載されていた。
昔は、楽器は美術品でもあったらしい...。
美術品の価値によって、古い鍵盤楽器は残存しているケースが多いのだそうだ。
事実、そのカタログには、楽器の側面・外側だけでなく、
内部に見事な装飾を施した楽器がゴロゴロ掲載されている。
 (↑楽器の内部とは、ピアノで例えると蓋を開けた内側...そういう箇所を想像して下さい)
16世紀のヴェネチアの宮廷の天井画が蓋の裏に描かれたものがあれば、
側面・内側共に漆塗りで中国風の絵が描かれたものもある。
装飾は、どうやらヨーロッパの文化のものだけに留まらなかった様である。
どんな装飾にしろ、チェンバロの内部に描かれた絵画に美術品としての価値が
あることに疑いはなく、まるで楽器がキャンバスの様だったのである。
又、製作時の状態(オリジナルの状態)で残存するものは少なく、
16・17世紀に作られたが18世紀になって手が加えられてしまったものや
果ては、音域が狭められてしまった跡が認められるものがある。
楽器が改良される為の課程によるものであろうか....それなら、良い(?)のだが。

現在のピアノも、上部、つまり「鍵盤&弦が収められている『箱』」の部分
と脚が分離出来るのだが、上部と脚の製作年代が異なるものまで存在する様である。
 (☆ 私のピアノは購入した時、窓を壊して上部と脚を分離して部屋へ入れた...)

かつては、鍵盤楽器の脚の部分は楽器屋ではなく、
家具屋さんが作っていたと聞いたことがある。
「 ピアノの『箱』の下には隙間が多いから、通帳やヘソクリを隠すのに丁度良い 」
と言ったピアニストがいるけれど、家具屋さんが脚部を作っていた証拠か、
引き出し付きのチェンバロなんてものも存在......。

その様な、様々な装飾・趣向が凝らされたものは古いものに多く、
現代のピアノの装飾なんて、せいぜい猫足スタイルだとか、
譜面台が透かしぼりになっている程度しか見当たらない...と思っていたら、
何と、ピアノでも全側面・内部に絵画が施されたものも存在したらしく、
博物館の冊子にしっかり掲載されているのである。

そう言えば、何かのCMで、全面絵画のSteinwayのピアノが登場してたよなぁ....
 (↑ Steinwayとは、ピアノメーカーの名前です)
ところで、ピアノという楽器が誕生してから、様々な試みが成されたそうだが、
アップライト・ピアノの誕生も、その成果の1つと聞いたことがある。
かつて、グランド・ピアノをそのまま立ててしまった様なものも存在し、
それを「ジラフ・ピアノ」と呼ぶこともあるが、博物館冊子では、
しっかり「アップライト・ピアノ」として記載されていたのも興味深かった事柄である。


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